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今日は, 認知行動療法研修開発ｾﾝﾀｰの大野 裕先生が日経に連載しておられるｺﾗﾑ 「こころの健康学」 から以下引用させて戴きたい.
精神疾患の本態は未だ解明出来ていないと先週書いた.
すると精神疾患は存在するのかと言う疑問が生まれて来る.
鬱や不安と言った感情は誰もが体験する. それが 「病的」 か如何かは, どの様に判断すれば良いのか.
そもそも 「病的」 な感情や不安はあるのか.
こんな事を考えたのは, 何か社会的な犯罪が起きると, 必ずと言っていい程に, その人の言動から精神状態を 「診断」 して精神疾患の病名を付け様とする傾向があるからだ.
その結果, その病名が一時, 話題になったりする事もある.
誰にでも言動の偏りはある. それが 「病的」 か如何かを判断する客観的な指標は未だ確立していない.
それでも病名を付けて診療するのは, その状態に苦しんでいる人がいるからだ.
私は, 心身の不調の為に苦しんでいる人が僅かでも楽になり, 自分らしい生活を送れる様に手助けする事が, 医療者の役割だと考えている.
その時自分の力や周りからの手助けで苦しみに対処出来る場合は良い.
医療的な支援が役に立つ人もいる.
その可能性を判断するのが 「診断」 で, 医療者はそれを下に治療を進めて行く事になる.
米国の 「精神疾患の診断と分類」 は, 本人が非道く苦しんでいるか, 生活に大きな支障が出ている場合にのみ精神疾患と診断する.
然も精神的な苦しみや生活の支障は, あくまでも本人の主体的な判断が尊重される必要がある.
精神疾患の診断は基本的に, 症状を軽くする為に適切な治療を実施して行く為のものだ.
Have a nice day!
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