「ヒロシマ, 60 年の記憶」 (近藤 紘子著, 徳間書店) から
2010-04-10


「ヒロシマ、60 年の記憶」 と言う本がある. 著者 (近藤 紘子さん) のお父さんは谷本清と言う牧師で, 牧師自身も被爆者であるにも拘らず, 原爆乙女の治療や原爆孤児の精神養子縁組など, 多くの被爆者救済に甚大な働きをされた方である.

谷本牧師の死後, 1987 年に創設された「谷本清平和賞」は, 平和に貢献した個人や団体に毎年贈られているが, 映画化もされた漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治氏や女優の吉永小百合さん, 映画監督の新藤兼人さんなど, 多くの方が受賞している.

谷本牧師の長女である著者のこの本を読むと, お父さんの人となりやその功績を詳細に知ることが出来, また彼女自身の半生も驚くほど広島の歴史と重なるものがある. この父娘の数奇とも言える人生に素直に感動できる本である.

是非, ご一読をお勧めしたい.

処で, 谷本牧師は, 原爆投下直後の広島で被爆者の救済に携わった結果, 原爆症を患い, 生死の境をさ迷うが, 奇跡的な快復を遂げる. 知り合いだった僧侶が谷本牧師を訪れ「お灸」をするよう勧めたのである. 谷本牧師は半信半疑ではあったものの, 勧められた灸を全身 100 ヶ所に据え続けるうちに, 高熱が退き, 元気を快復する事が出来たのである. 「これぞ東洋の神秘だ」と谷本牧師は驚嘆したと言う.

以前もこの欄で何度か触れたと思うが, 「鍼」と言うと痛いのではないか, とか, 「灸」と聞くと「熱いのではないか」, 「痕が付くので嫌だ」と思われる方が多いかと思う. 然し, 鍼や灸にも色々あるのである. 〓鍼 (テイシン) と言って刺さない鍼もあれば, 熱くない灸もある. 症状次第で, また患者さんの要望により, 鍼灸治療では使い分ける事が可能なのである.

確かに鍼灸の適用疾患と言うものはある. が, 鍼や灸には誠に奥深いものがあり, 谷本牧師の様に「奇跡的」とも言える臨床例も数多く報告されている. 古代中国 4000 年の昔に興ったと言われる鍼灸治療は, それなりの効果を発揮して来たからこそ, 現代の今に至るまで連綿と受継がれて来ている筈なのである.

以下, 平和活動に一生を捧げた偉人「谷本清牧師について」もっと知って欲しいので, 以下に Wikipedia から引用する.


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