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京都大学の河本 宏教授らは, 新型ｺﾛﾅｳｲﾙｽ感染症の治療薬候補を開発したと言う.
胚性幹細胞 (ES 細胞) の遺伝子を改変し, ｺﾛﾅｳｲﾙｽに感染した細胞を攻撃する免疫細胞を作った.
免疫が低下している重症者向けに, 2027 年度に臨床試験を開始し, 29 年頃の実用化を目指している.
ｺﾛﾅ向けには既に複数の薬が存在するが, 重症度の高い患者に有効な薬は少ない.
免疫細胞のｷﾗｰ T 細胞を用いた薬は高い効果が期待されているが, 患者自身のｷﾗｰ T 細胞がｺﾛﾅを攻撃する様に遺伝子を変える方法は時間やｺｽﾄが掛かる.
第三者のｷﾗｰ T 細胞を遺伝子改変して体に入れる方法は, 患者の免疫反応によって拒絶されてしまう問題があったとの事.
開発した手法では, 体のあらゆる細胞に変化出来る万能細胞の一種の ES 細胞から分化させたｷﾗｰ T 細胞を使う.
ES 細胞の一部の遺伝子を改変し, 免疫によって拒絶され難くした上に, ｺﾛﾅｳｲﾙｽに固有の蛋白質を感知し, 感染した細胞を攻撃出来る様にした.
研究ﾁｰﾑは効果を調べる為, ﾋﾄの肺の細胞で実験した.
肺の細胞は遺伝子を改変し, ｺﾛﾅｳｲﾙｽに固有の蛋白質を作る様にして, 感染した状態を再現した.
ｷﾗｰ T 細胞を加えると, 約 12 時間で肺の細胞の大部分を壊した.
日本発の万能細胞である iPS 細胞ではなく, ES 細胞を使う理由について, 河本教授は 「iPS 細胞は作製する過程で様々な特許の縛りがあり, 使用料支払いなどにより薬の開発ｺｽﾄが高くなる」 と述べている.
本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏氏ﾌｫﾄｷﾞｬﾗﾘｰから (朝焼け)
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