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東京大学などは, 米国の牛で見付かった高病原性鳥ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞｳｲﾙｽ 「H5N1 型」 がﾋﾄの鼻や喉の細胞に入り込める事を試験管内の実験で確認したと言う.
ｲﾀﾁの仲間のﾌｪﾚｯﾄを使った実験では飛沫感染する事を確かめた. 今後の感染症対策の策定に役立つと言う.
研究ﾁｰﾑは牛由来の H5N1 型ｳｲﾙｽがﾋﾄに感染し易いか如何かを調べた.
ｳｲﾙｽが細胞内に侵入する際に結合する細胞表面の糖鎖と言う物質を使った.
形が異なるﾋﾄの糖鎖と鳥の糖鎖をそれぞれ試験管に入れて, 牛由来のｳｲﾙｽと混ぜた.
その結果, 牛由来のｳｲﾙｽは鳥の糖鎖だけでなくﾋﾄの糖鎖にも結び付いた. 鳥由来のｳｲﾙｽよりも, 牛由来のｳｲﾙｽはﾋﾄの糖鎖に結合し易くなったと言う.
東京大学の河岡 義裕新世代感染症ｾﾝﾀｰ機構長は 「牛由来のｳｲﾙｽがどの程度あればﾋﾄに感染するのかは分らないが, ﾋﾄ型の糖鎖を認識する様になると, ﾋﾄに感染し易くなるのは間違いないと思われる」 と見ている.
H5N1 型は米国で先ずﾆﾜﾄﾘに感染が拡大し, 乳牛へと広がった.
米農務省 (USDA) によれば, 1 日時点で 12 の州で乳牛の感染が確認されている. ﾋﾄへの感染は, 牛と頻繁に接触していた数人で, 何れも軽症だった. ﾋﾄからﾋﾄへの感染は確認されていないが, 米政府は万が一の事態に備え, ﾜｸﾁﾝの準備を進めている由.
今回の東大の研究では飛沫感染の可能性についても調べた.
健康な 4 匹のﾌｪﾚｯﾄを H5N1 型の鳥ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞｳｲﾙｽに感染したﾌｪﾚｯﾄと隣り合うｹｰｽで飼育した処、ﾌｪﾚｯﾄ 1 匹の血液からｳｲﾙｽの抗体が見付かった. 飛沫感染したと言う.
ﾋﾄの間で流行する季節性ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞのｳｲﾙｽも飛沫感染する事が知られている.
河岡機構長は 「季節性のｳｲﾙｽ程ではないが, 過去に見付かった H5N1 よりは伝播する事が示唆された」 と説明している.
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