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愛媛大など全国 30 の医療機関は, ﾏﾀﾞﾆに咬まれる事で感染する致死率の高い感染症 「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」 の臨床試験に着手すると言う.
SFTS は西日本を中心に毎年約 60 人の患者が発生する.
感染すると熱など風邪に似た症状が出て, 重症化すると意識障害や皮下出血を起こし, 約 3 割が死亡する疾患である.
動物実験で効果が見られた抗ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ薬の 「ｱﾋﾞｶﾞﾝ (一般名 ﾌｧﾋﾞﾋﾟﾗﾋﾞﾙ)」 を, この夏に発生する患者 10 人程度に投与して効果と安全性とを見究める.
臨床試験には愛媛大や長崎大などが参加する.
病院で疑わしい患者が出たら血液を衛生研究所で検査し, 診断が付いたら近くの参加機関に入院して貰う.
10 日以上薬を投与して, 効果と副作用を調べると言う.
ｱﾋﾞｶﾞﾝは富士ﾌｲﾙﾑ傘下の富山化学工業 (東京) が開発した抗ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ薬であるが, ﾏｳｽ実験で, SFTS にも効果があり, 感染直後に投与すれば高い確率で救命出来る事が示唆されている様だ.
但し, 薬の効果は感染から時間が経つと小さくなった.
SFTS の初期症状は風邪と区別がつかず, 治療を始められるのは早くても 1 週間後となる.
どの程度の効果があるかを見極めた上で, 順調に行けば来年以降, 患者数を増やして検証し, 実用化に繋げる計画と言う.
昨今流行の, 既存薬による新たな疾患への適用例の一つである.
本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏 氏提供 (ｷｼﾞのﾊﾞﾄﾙ ④)
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