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先般, 筑波大学の渋谷 彰教授 (免疫学) らの研究ﾁｰﾑは, 腸内の悪玉菌と呼ばれる菌が喘息を悪化させる仕組みをﾏｳｽを使った実験で解明したと発表している.
併せて, ﾏｳｽで効果的な治療法も確認しており, 人間でも同じ仕組みで症状が悪化している患者がいないか探し, 治療する事を検討している様だ.
或る種の抗生物質を飲み水に混ぜてﾏｳｽに 2 週間投与した後, ｱﾚﾙｷﾞｰの原因物質を吸入させて喘息を発症させた処, 症状が重くなったと言う.
そのﾏｳｽの腸内を調べた処, 抗生物質により, 乳酸菌などの善玉菌が減り, ｶﾝｼﾞﾀﾞというｶﾋﾞの一種が異常に増えていたのである.
ｶﾝｼﾞﾀﾞは生理活性物質を作る働きを持っている.
その結果, ﾌﾟﾛｽﾀｸﾞﾗﾝｼﾞﾝ E2 と呼ぶ物質が血液中で増え, 肺の中で免疫反応を引き起こす細胞が増えてｱﾚﾙｷﾞｰ反応が強まった様だ.
炎症を悪化させて喘息が酷くなる事が確認出来た訳だ.
そこで, ｶﾝｼﾞﾀﾞを殺したり, ﾌﾟﾛｽﾀｸﾞﾗﾝｼﾞﾝ E2 が増えない様にしたりする薬剤をﾏｳｽに投与すると, 喘息の症状が改善したと言う.
腸内細菌のﾊﾞﾗﾝｽが崩れると, 炎症性腸炎やｱﾄﾋﾟｰ, 糖尿病など様々な病気を引き起こすと言われて来たが, その仕組みの一端が解明された事になる.
喘息もその一つだが, これまで詳しいﾒｶﾆｽﾞﾑは分っていなかったのである.
喘息の治療に道を拓く事に繋がる成果であると考えられ, 早期の臨床につながる事を期待したい.
Have a nice day!
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