老化をもたらす 「糖化反応」
2013-02-20


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本ブログに 「最初に野菜!」 と言う表題のブログがある.

「食事は, 最初に野菜から食べ始めることで, 食後や 1 日の血糖値の変動を 4 割ほど抑制できる. 毎日の食事に少し気を配るだけで, 大幅な血糖値の変動をコントロールできるため, 動脈硬化や心筋梗塞, 脳梗塞などの生活習慣病の予防に繋がる」 と言う内容のものである.

これは, 分解され難い食物繊維を最初に摂る事で, 体内での糖化反応を遅らせる事が出来るからである.

糖化反応とは, フルクトースやグルコースなどの糖が酵素の働きなしに蛋白質または脂質に結合する反応の事であるが, これには 「生体外糖化反応」 と 「生体内糖化反応」 とがある.

生体外糖化反応は, 砂糖を蛋白質や脂質とともに調理する時などに起こるものである.

例えば, フライドポテトやパンの色を良くするのに砂糖が使われるが, 調理中, 糖化反応によって発癌性物質の前駆体である "アクリルアミド" が生成したりする.

こうした糖化反応は, 網膜症や心臓病などの発症にも大きく関わっている事が最近の研究で明らかになって来ている.

特に糖化反応物が多い食品は, ドーナツ, バーベキュー, ケーキ, 濃い色のソーダなどであるとされている.

一方, 体内糖化反応は, 主に血液中に吸収されたグルコース, フルクトース, ガラクトースなどの単糖を用いて行われる.

体内糖化反応による生成物の中には害のないものもあるが, 反応性が高く, 糖尿病, 心臓病, アルツハイマー病, 癌, 末端神経障害, 難聴, 失明などの原因となるものもある.

病気の種類が広範に亘るのは, 糖化反応が, 基礎的なレベルで分子と細胞の関係を阻害し, 過酸化水素などの強い酸化剤を生成するからである.

この意味において, 白米, 白いパンなど, 精白された炭水化物食品をよく食べ, ジュースや焼き菓子が好きという人は要注意である.

肌の 「たるみ」 が悪化する危険性があるからだ.

たるみの原因の一つが, 糖化反応である事が分ってきたのである.

体内では, 急速に血糖値が上がって処理しきれない糖が生じると, 組織をつくる蛋白質に糖が結合し, 糖化最終生成物 (AGEs) が作られる.

AGEs は肌の張りのもとであるコラーゲン同士を結合させ, 弾力性を低下させるが, これがたるみの一因となるのである.

更に, コラーゲンとエラスチンの代謝も遅らせる。

女性の身体の 14 - 16% は蛋白質で, 肥満していたり, 高血糖状態が続くと, 蛋白質が糖と結び付き易くなり, AGEs が加速度的に増加するとされている.

また, AGEs は高蛋白質, 高糖質で高温加熱した食品にも多く含まれている.

処で, 体内で糖化を防いだり, 出来てしまった AGEs を処理するのに役立つとされる成分がある.

大豆の渋み成分 「サポニン」, ぶどうの種子などに多い 「レスベラトロール」, 「ドクダミ」 や 「ローマンカモミール」 と言ったハーブ, 鶏ササミ肉に多く含まれるアミノ酸の一種 「カルノシン」, 豚肉やニンニクなどに多く米国では抗糖化作用の確認も進んでいる 「ビタミン B6」 などを挙げる事ができる.

然し, 糖化を抑制する最も確実な方法は, 食後 10 分でも良いので, 散歩などをする事である.

運動により糖が消費され, 食後の血糖値は上がり難くなるのである

また, かつて本ブログでも紹介した 「ヒートショックプロテイン (HSP)」 には, 正常時に体内で新しい蛋白質の合成を促す作用と, 傷害などで異常化したものを修復したり分解する作用とがある.

HSP が多いと蛋白質の新陳代謝が促されて, コラーゲンやエラスチンが正常な状態を維持し易くなり, アンチエイジングと病気予防効果が期待出来るとされている.

HSP を増やすのは難しい事ではない.

40 - 42℃ 位の温度で入浴するだけでいいのである.


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