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ｽｳｪｰﾃﾞﾝのｶﾛﾘﾝｽｶ研究所は, 日本時間の昨晩 2012年のﾉｰﾍﾞﾙ生理学･医学賞を, 生物のあらゆる細胞に成長できる iPS 細胞を初めて作製した京都大学教授の山中伸弥 iPS 細胞研究所長 (50) と, ｼﾞｮﾝ･ｶﾞｰﾄﾞﾝ英ｹﾝﾌﾞﾘｯｼﾞ大名誉教授 (79) の 2 人に贈ると発表した.
山中教授の授賞理由について, 同研究所は声明で 「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」 と説明した.
山中教授は, 成熟した細胞が様々な細胞になり得る受精卵のような状態に簡単に戻ることを発見したのである.
山中教授は, 06 年に世界で初めて, ﾏｳｽの皮膚細胞から iPS 細胞作製に成功, 万能細胞と呼ばれ, 世界を驚かせた.
引き続き, 07 年には人間でも作製に成功した。
従来の万能細胞である胚性幹細胞 (ES 細胞) が受精卵を壊して作るのに対し, iPS 細胞は 4 つの遺伝子を皮膚など体の細胞に入れるだけでできる. 生命倫理の問題も回避でき, 生命科学や医療応用が広がると期待されている.
心臓の筋肉や膵臓, 神経の細胞など様々な細胞に成長できるため, 病気やケガで損なわれた臓器を修復する 「再生医療」 への応用が見込まれている.
患者本人の細胞から作れば, 拒絶反応も少ない.
現代の医学では治療できない難病患者の皮膚などから iPS 細胞を作って詳しく調べれば, 病気の原因解明や新たな治療法開発につながる可能性も高く, 産学連携で研究が始まった.
新薬の開発で, 実験動物の代りに薬効や副作用を調べる材料としても使える.
昨年の今頃, 本ﾌﾞﾛｸﾞではﾉｰﾍﾞﾙ賞を受賞するのではないか, と書いたが , 1 年後の今回それが実現したのである.
山中教授の業績は勿論素晴しいものだが, 私は, 何よりも山中教授の素晴しい人間性からしても, 日本として誇れる第一級の人物であると思う.
その視野の広さ, 公平性, 識見, 人間としての謙虚さ･真摯さ, 研究者としての積極性などなど, 後に続く若者たちのよき目標となってくれるに違いない.
受賞会見に際して先ず発した言葉は, 研究を支えて呉れた同僚, 家族, 大学, 国などに対する 「感謝の心」 であった.
また, これも本ﾌﾞﾛｸﾞに描いたが, 昨年は 「失敗を沢山しなさい. 私も沢山失敗をした」 と若者を勇気づけている.
日本には, 「政治村」, 「警察村」, 「教育村」, 「原子力村」 などなど, 所謂 「ﾑﾗ社会」 にどっぷりと染まった時代遅れの人間が沢山いる.
山中教授を見ていると, 優れた業績と言うものは, その人の 「人間性」 そのものに大きく左右されるものである事を痛感させられる.
Have a nice day!
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