鎌田 實の 「がんばらない健康法」- 「7 悪 3 善 1 コウモリ」の法則から
2009-10-28


鎌田先生は, NHK のラジオ番組 「鎌田 實のいのちの対話」 で有名である.

赴任した長野県の諏訪中央病院で, 地域と一体になった医療や心のケアを含めた医療に長年取組んだ結果, 同地は日本でも有数の健康長寿かつ医療費の安い地域となった.

その成果についてのエッセンスを纏めたのが表題の本である. 以下に鎌田先生の 「がんばらない健康法」 を要約してみたい.

7 悪とは, 喫煙, 肥満, ストレス, 脂質異常症, 高血圧, 糖尿病, 痛風の 7 つ, 3 善とは, 笑顔 (ニコニコ), 運動, 食物繊維, 1 コウモリとは, お酒 (アルコール) を指している.

お酒は, 或る時は鳥だと言い, 或る時は動物だと言い張った蝙蝠に擬え, 量次第では薬にも毒にもなる事から, コウモリと称した由である. お酒は, 適量ならば, 血管を拡張し, 血行をよくするので血圧を下げる.

人は血管から老いると言われるが, 煙草は言うまでもなく, 百害あって一利なし. 活性酸素が発生して, 血管を収縮させる. 痛風は尿酸が血管壁にこびり付いて, それぞれ脳卒中や心臓病を惹き起す.

介護の必要がなく, 自立した生活を送る事が出来る期間を 「健康寿命」 と言うが, これは 「血管年齢」 と密接な関係があるとされる.

毎日ニコニコ笑顔で暮すと, 副交感神経が優位に働き, 免疫力が向上, 血管が若返り, 所謂 “幸せホルモン” と言われる 「セロトニン」 の分泌が活性化されると言われている.

セロトニンは, ウォーキングなどのリズム運動をする事, 原料となる必須アミノ酸トリプトファンを多く含む肉類や乳製品, 赤身の魚などを食べる事, 太陽光を浴びる事等でも分泌が促進される. セロトニンの分泌が不足すると鬱病になり易いと言われている.

肥満を予防するには, 毎日体重計に乗って体重を計る週間を身に付ける事が効果的で, 鎌田先生は 「計るだけダイエット」, 日々の体重変動を気にするだけで充分だと言う. 

具体的なダイエットの手法となると, 先ず, 糖質を断つ食生活を心掛ければ, 脂質代謝が起って、ダイエットが可能になる. 皮下脂肪は付き難く, 落し難いが, 内臓脂肪は付き易く落ち易い.

言い換えれば, 脂質代謝は内臓脂肪から始まる訳である. 代謝は, 基礎代謝が 7 割, 生活代謝が 2 割, 食事代謝が 1 割とされているので, 肥満防止には基礎代謝を活性化するのが一番効果的である.

また, 病は気から、とは人口に膾炙した言葉であるが, 免疫力は精神力と極めて密接な関係にある. 長生きしたいと思っている人と, そうでない人との間で, 寿命に大差はないものの, PPK (ピンピンコロリ) は, 「長生きしたい」 と念じている人に多いと言う.

そして, 若さを保つ秘訣は, 人とのつながり, 自然とのつながり, 身体と心のつながりの 3 つだとの事. また, (特に, 内面の) おしゃれを心掛ける事も若さを保つ上では欠かせないと言う.

老化は, 活性酸素のフリーラジカルが血管壁や細胞を錆びつかせる事によって起るとされるが、老化予防の 10 ヶ条として下記を挙げている.

1) 抗酸化力の高い食事を心掛ける
2) 軽い運動を定期的に行う
3) ちょい太, ちょいコレ (ちょっとだけ太め, ちょっとだけコレステロール値が高い) が良い
4) 煙草は吸わない
5) 酒は適量を : 酒量 (g) = アルコール度数 (%) x アルコール量 (ml) x 0.8 (アルコール比重) / 100
6) 心をあっためる
7) 紫外線に当り過ぎない
8) 炭水化物を摂り過ぎない
9) 腹八分目
10) 睡眠は時間より質

また, 質の良い眠りを得るには,

1) 寝る時間前には食べない
2) 寝る 3 - 4 時間前に軽い運動をする
3) 寝る 1 時間ほど前に入浴 (38 - 40 度の湯加減が良い)
4) 部屋は暗く
5) 寝る前に, 読書や軽い音楽を


続きを読む


コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット