[画像]
高齢者の心身が衰えるﾌﾚｲﾙ (虚弱) を予防しようと, 首都圏の自治体がﾃﾞｼﾞﾀﾙ技術を活用した取り組みを進めている, と日経が報じている.
歩行数に応じたﾎﾟｲﾝﾄを付与するｽﾏｰﾄﾌｫﾝ向け健康ｱﾌﾟﾘや, 生成 AI (人工知能) を活用した会話ｻｰﾋﾞｽなどを通じてﾌﾚｲﾙ予防を後押しする.
自治体が取り組むﾃﾞｼﾞﾀﾙｻｰﾋﾞｽの代表例が歩数管理ｱﾌﾟﾘだ.
ﾌﾚｲﾙの要因の一つとされるのが歩行量の減少.
外出をしない事で消費ｴﾈﾙｷﾞｰや食事量が減り, 体重や筋肉量が減る. これらが更なる歩行量減少の要因となり, 悪循環 「ﾌﾚｲﾙｻｲｸﾙ」 を生む為だ.
さいたま市はｽﾏﾎで計測した歩数や健康診断の受診実績などに応じてﾎﾟｲﾝﾄを付与する 「さいたま市健康ﾏｲﾚｰｼﾞ」 を提供している.
2024 年度の場合, ﾎﾟｲﾝﾄを菓子の詰め合わせや体組成計, 美術館の招待券と交換した.
ｱﾌﾟﾘでは歩数以外にも食事や体重, 睡眠などの情報を管理出来, AI を活用したﾀﾞｲｴｯﾄ向けの助言も受けられると言う.
埼玉県も歩行でﾎﾟｲﾝﾄが貯まるｱﾌﾟﾘ 「ｺﾊﾞﾄﾝ ALKOO (ｱﾙｺｳ) ﾏｲﾚｰｼﾞ」 を 4 月時点で川越市や所沢市などの自治体や地元保険組合向けに提供している.
千葉県柏市が 4 月に提供を始めた健康ｱﾌﾟﾘ 「ﾜﾆ Fit」 は NEC の健康ﾎﾟｲﾝﾄｻｰﾋﾞｽ WoLN (ｳｫﾙﾝ) を使う.
運動や趣味の活動にﾎﾟｲﾝﾄを付与する他, ﾃﾞｰﾀを基に AI が健康維持に助言するもので, ﾎﾟｲﾝﾄは 170 種類以上の電子ﾏﾈｰやﾃﾞｼﾞﾀﾙｷﾞﾌﾄと交換出来る.
東京都品川区では 5 月, ﾌﾚｲﾙ予防として運動などを通じて高齢者同士が交流出来るｱﾌﾟﾘ 「ﾁｬﾚﾝｼﾞ しながわ」 の提供を始めた.
ｽﾀｰﾄｱｯﾌﾟのｴｰﾃﾝﾗﾎﾞ (東京･中央) のﾁｬｯﾄｻｰﾋﾞｽ 「みん ﾁｬﾚ」 を活用し 「毎日歩く」 などの目的を共有する人たちがｱﾌﾟﾘ上で励まし合う事で継続を促す.
ｱﾌﾟﾘは 65 歳以上の区民が無料･匿名で参加出来る. 区はｽﾏﾎの活用に不安を持つ高齢者向けに使い方教室も開き, 高齢者のﾃﾞｼﾞﾀﾙﾃﾞﾊﾞｲﾄﾞ (情報格差) の解消のきっかけにもする.
区はこれまでも運動を促す健康教室などを開いて来たが 「習慣化には課題もあった」 (区担当者) として, 手軽なｱﾌﾟﾘを生かした健康増進を促す.
千葉大学が 24 年に発表した検証結果によると, 高齢者の社会参加を促進するｱﾌﾟﾘを 12 週間使用した人は, 使用しなかった人に比べ趣味や学習活動などの社会参加の頻度が増えたと言う.
AI を活用した認知症予防も検証が進んでいる.
神奈川県横須賀市は 24 年度, 一人暮しの高齢者向けに AI ｷｬﾗｸﾀｰと会話出来るｻｰﾋﾞｽを実証した.
音声会話型の AI ｱﾌﾟﾘを手掛ける Starley (ｽﾀｰﾚｰ, 東京･港) と連携し, 25 年 3 月まで介護施設などで使って貰った.
ｷｬﾗｸﾀｰは高齢者向けにゆっくり言葉を発したり, 思い出話などについて積極的に質問して来たりする.
「人と会話しているのとは違って戸惑う人もいた」 (市担当者) と言うが, 本格提供に向け事業者と改善作業を進める考えと言う.
最近は高齢者でもｽﾏﾎなどを使いこなす人は少なくない.
総務省の調査によると 70 - 79 歳のｽﾏﾎ保有率は 7 割近い. ｽﾏﾎを生かしたﾌﾚｲﾙ予防を通じて, 地域の高齢者の健康維持に繋げる工夫が広がって行きそうだ.
ﾌﾚｲﾙは外出などの機会が減り心と体の働きが弱くなって来た虚弱状態を意味する.
健康と要介護の中間とされ, 病気にならなくとも介護が必要になる事もある.
栄養･運動･社会参加のｻｲｸﾙが予防に有効とされ, 自治体がﾃﾞｼﾞﾀﾙ技術の活用を進めている.
Have a nice day!
----------------------------------------------------------
･この 「健康小話」 のﾌﾞﾛｸﾞは, はり･きゅう･ﾏｯｻｰｼﾞ ﾄﾐｲ
(